谷六郎理事御来校
人呼んで絶対零度の男。
そう聞いた時から、大体想像出来てたってのよ。姉弟まとめて色々とアレな糸内の当主ってのが、一体どういう人物なのかってさあ。
で、案の定、終始駄洒落の人でした。ぬるいお笑いの世界にどっぷり浸った昼下がり特設校の、管理運営責任者としては正にドンピシャ。親も親なら子も子だぜ、を地で行く世界。墓のない人生は、はかない。あっはっは。面白い洒落ー。こんな感じ。
ふう。
すいません、ちいと言葉がアレ気味になってしまいました。糸内得先生の異能を深く知り、昼下がり特設校を自らの思惑によって仕立て上げた男と相対する。そうやって括った腹も、今やすっかり緩んでしまいましてね。気を取り直して、谷六郎理事歓迎会は和やかに進んで参った次第です。
と、言いたい所ですが、我が妹である神代神楽の一言が見事に雰囲気をブチ壊してくれました。この一連の話の裏で進んでいる思惑を、たったの一言で看破する針の一刺し。即ち「谷六郎理事は得先生を愛していますか?」。
ナイス神楽。褒めて遣わす。果たして理事はこの言及に答えを淀み、これにて後ろめたい何かがある事は自明の理となったって訳。
で、それが何なのかは大体の予想がついている。口にするのはとても危険だから、敢えて言わない。ただ、得先生の異能「ネイトック」は、常に発動している状態なのよね。そして囁きを突かれると、それは極大化する。転生糸内会事件の再来ね。そうなるのを防ぐのが、谷六郎理事一派の考え方。未曾有の災厄を防ぐ為にはどうすれば確実なのか、少し考えたら、あなたも分かるよね?
色々と口篭りながら語ってみたけれど、昼下がり特設校の昼下がりな空気は結構お気に入りだったのよね。それが今や極めてシビアな状況。表向きは相変わらずなんだけどね。
さて、最初から最後までシビアな面白忍者合戦に赴いている、藤林君と百々目さんは、最近パッタリと姿を見せません。聞けば、自分の居た側を裏切ったんだそうで。相変わらず自主的にぬかるみへと足を突っ込んでおりますが、ろくすっぽ勉強もしないでそんな事ばっかやってると、今度は人生の泥沼にはまり込んでしまうんじゃないかと思いました。
勉強しろよ藤林ー。お前、まさか、忍者で飯が食えると思ってんじゃねーだろーな。
文責:神代風霞