双子1〜3回まとめ

 

 今回から転入した双月響だ。今月の学習発表の前に先月までの状況をまとめておく。

俺は、愛染浅葱と朱華が17歳で死ぬという囁きを食い止めたいと思ってる。

二人は前世の記憶をあまり持ってないが、17年前にここの学生だったとき囁きから逃れる方法を書いた本を見つけたらしい。それが相手を殺すことで分かれた魂を一つにし、「彼」を目覚めさせることなんだが・・・。

そのため、先に3勝したほうが相手を殺すという勝負をしてて、浅葱が1勝2敗。

俺も人手が足りないときに浅葱側で喫茶店勝負に参加したんだが、僅差で負けちまった・・・。

 

桂木リンナっていう双子の幼馴染がいて、「彼」のことを思い出せそうだから双子に内緒で手伝ってくれと言ってる。信用していいのかわからないが、今はこいつに頼らないと情報が少なすぎる。

学生時代に前世の双子と同じ特設校でアーキタイプの研究をしてた講師、高梨小春によると、館林修也という生徒が熱心に本の解読をしてたんだが双子の死後自殺したという。

俺はリンナの前世がそいつだったんじゃないかと思って聞いてみたが、どうもハズレだったみたいだ。本当のことを言ってるか分からない奴に真正面から質問するってのがそもそも間違いなのかもしれないが。

 

 俺がそんなことをしてる間に図書館で問題の本の調査をしてた奴らはけっこう成果を上げたようだ。

「百の顔を持つラ・モン。無から虚を生み出し、無に返すことを生業とし、科学者であり、医者であり、詩人であり、技師であり、宗教家であり、興行師であり、魔法使い。しかして、国をも相手取った天性の詐欺師。深い知識を持つが、その全てを偽ることにしか使わなかった。残忍な性格で、血肉を分けたものも手にかけた。

 モン、リラ二人の忌み子。富を築き、才能から家柄も手に入れる。若くして死すべき病を克服するため、『病喰らいの虫』を作る。しかしてそれは命が消えるのに間に合わず、ラ・モンはラ・リラの命を喰らい、永らえる。

『病喰らいの虫』を作り上げるのに、アルムート、オルトルート、ヨハン、ウルリーカが手を貸す。『病喰らいの虫』は、ラ・モンの病を喰らうことは無かったが、ラ・モンが陥れた者たちの思い出を、忘れられた記憶の奥から呼び……』」

しかし本は途中で損傷し、修復しないことには解読が進まないらしい。

俺は虫作りには役立ちそうにないので、時間稼ぎのためにも浅葱側で雪合戦に参加することにした。

 

ここまでで何か質問あったら言ってくれ。

 

 

 

文責:双月響

 

 

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