ハンターが戦う「この世ならざる者」達は、私達人間の武器は通用しない場合がほとんどです。
しかし一定法則の元に弱点は必ずあり、また武器にしても工夫次第で敵に致命傷を与える事も可能なのです。
都合、ハンター達は戦う相手に合わせ、創意工夫をこらして「この世ならざる者」に挑む事となります。以下におきまして、全般的に通用するアイテム・武器の一覧を紹介して参ります。
<塩> → 霊的存在(悪魔、悪霊)に対して効果あり
古今東西、世界の至る文化圏においても、塩は魔除けとしての側面が知られています。防腐・殺菌の効能が由来ですが、その性質は特に悪霊や悪魔という存在と真逆である事が、効果を発揮する要因なのです。
塩は安価で手に入れ易く、その効果は万能の一語に尽きます。塩を地面に盛って円を描くだけで、悪霊や低級の悪魔はその上を跨ぐ事すら出来ません。盛り塩はハンターではない一般人でも、簡易かつ優秀な結界となってくれます。
また、塩は相手に直接ぶつけても、強く怯ませて致命的な隙を作り出す事が可能です。
このように、手軽で応用の範囲が素晴らしく広い塩ですが、残念ながら塩自体には「この世ならざる者」を消滅へと追いやる程の力はありません。飽く迄通れなくする、怯ませる程度の効果しかなく、ごく少数の上級悪魔の中には、塩など問答無用で乗り越えてくる手合いも居ます。また、霊的存在ではない敵には全く効果がありません。ちなみに人間に憑いた悪魔や悪霊は、本体そのものが霊的存在ですので効果有りです。
使いどころは考えなければなりませんが、攻撃・防御の補助的アイテムとして、これ程便利なものはありません。新しい街に出向いたら、迷わずKマートで塩を補充しておきましょう。
<銀> → 「この世ならざる者」全般に対して効果あり
銀は主にキリスト教圏において、祝福された物質として有名です。
銀もまた塩と同じく、殺菌効果が広く知られています。塩より遥かに希少価値が高い為か、その効能もまた高いものです。怪物の類には狼男のように銀が致命傷となるものも居ますし、悪魔や悪霊に対して一時撃退させるくらいの効果があります。
しかしながら、銀の唯一の弱点は、その希少性にあるのです。「酒場」で相場よりも割安に売ってはくれるものの、それでも収入が乏しいハンターにとって、銀の入手は極めて困難です。
ただ、「この世ならざる者」との戦いにおいて、銀は一般入手出来る中でも、ほとんど唯一の万能物質であります。もしも入手のチャンスがあるのでしたら、是非とも手に入れておく事をお勧めします。
<聖水> → 霊的存在(悪魔、悪霊)に対して効果あり
聖水式の儀式を執り行う事により、神から清浄な力が分け与えられた水。それが聖水です。
水で穢れを清めるという考え方は、ほぼ全世界に通用します。特にキリスト教圏では、聖水が魔物に対して効果があると信じられていました。実際、攻撃的な霊的存在にはかなり有効です。特に人間に憑いたそれらを見分ける手段として、聖水は非常に効果があります。人の身に置き換えるならば、それは煮沸した熱湯を浴びせられるに等しいのですから。
聖水はハンター組織に協力する一部教会から、「酒場」へと定期的に補充されており、ハンターならば無償で貰う事が出来ます。おまけに上級ハンターの中には単独で聖水式を執り行い、身近な水を聖水にしてしまう者さえ居ます。塩同様、聖水はハンターの基本アイテムと言えるでしょう。
しかし万能であるからには、その効能にも限界があります。聖水だけで霊的存在を消滅させるのは不可能ですし、上級悪魔の中には聖水が全く効かない者も居ます。伝承において聖水が有効とされた吸血鬼等の物的存在には、実は効果がありません。塩のように簡易結界を作る事も出来ません。使いどころに一癖ありますので、聖水の取り扱いには十分注意しましょう。
<悪魔祓い> → 霊的存在(悪魔、悪霊)に対して効果あり
人間に取り憑いた悪霊や悪魔を当の人間の体から叩き出し、特に悪魔に関しては地獄に送り返せるのが悪魔祓いです。
悪魔祓いはキリスト教圏での言い方ですが、魔の者を言葉で説き伏せるという退魔の手段は、世界共通のものとして存在しています。
実のところ、殊に悪魔に打ち勝つ方法は、特殊なやり方を除いて悪魔祓いしかありません。悪魔を完全に拘束したうえで福音を唱え続ける「悪魔祓い」は、術者と悪魔の精神力の差が勝敗を決する事となります。ですから心の弱い者が悪魔祓いを実行すると、逆に取り殺されるか体を乗っ取られるか、常に危険が伴うのです。しかしハンターの主敵である悪魔と渡り合うには、悪魔祓いは欠かせない戦い方です。ハンター達は全員、悪魔祓いが出来ると考えて頂いて差し支えありません。
悪魔祓いでは福音を唱えるのが欧米において一般的です。他宗教圏におきましても経を詠む等、同様の手段があります。が、実は言葉そのものより、物を言うのは術者の精神力です。その対象を必ず祓い清めるという断固たる意思が、悪魔を現世から追放する力そのものと言えるでしょう。その意味では福音や経なども、精神力を出来るだけ神の域に近付ける為の手段でしかありません。
悪魔祓いは術者の消耗が非常に激しく、事を遂げればしばらくの間は再度執行出来ません。おまけに最上級の悪魔には、現代人の中で通用する人間は皆無と言っていいでしょう。もしもそういった手合いに遭遇してしまったなら、何か別の手段を講じる必要があります。それすら無い場合は、全速力で逃走しましょう。
<銃・刀剣類> → 「この世ならざる者」全般に対し、状況によっては効果あり
人類の発展は武器の進化と同期しています。銃や刀、槍に弓矢等、様々なバリエーションに富んだ武器の数々は、この世界で人類が生物カーストの最上位に位置出来た最たる要因だったと言えるでしょう。ですが、この世界の物理法則適用が曖昧な敵、「この世ならざる者」が相手となりますと話は別です。
尤も、それでもハンター達は大抵の場合、銃器・刀剣を当然のように所持しています。
それら武器類のストッピングパワーは、物的存在が相手の場合には健在です。致命傷を与えられなくとも、致命に至る隙を作り出す事は可能です。
また、銀製の刀剣・弾丸やショットガンの弾に塩を込めるなど、霊的存在に対しても様々な工夫を凝らして対抗する事が出来ます。これらの扱いに長けている事は、「この世ならざる者」とやりあう立場にたつならば、最低必須の条件と言えるでしょう。
ハンターの戦い方