~吸血鬼の作り方~

平田:今度はボルカがPC作る番な。しかしあれだな、「人と、そうでないものの戦い」をメインテーマに据えるルシファ・ライジングだが、何だか吸血鬼陣営は毛色が違うよな。そうでないものと、そうでないものの戦いになるのか、やっぱり敵は人になるのか。

 

ボルカ:こんにちはボルカですボストーカです。繋げて言うとジュヌヴィエーヴ・ヴュジョルド。

 

平:お前、ジュヌ何とかって名前が面白いと思っただけだろ。さて、本作における吸血鬼についての薀蓄だが、連中もやっぱりカテゴリィとしては「この世ならざる者」って事になる。ただ、他のソレと大きく異なる点があってだな、そいつぁ悩み深いってとこなんだよな。吸血鬼には人の善悪の規範とか、理性とか、はっきり言えば良心が残っている連中が多い。そこから一歩道を踏み外せば本物の怪物になれるんだろうが、大抵の連中は人間と怪物の狭間をうろうろしてるって訳だ。

 

ボ:私も割りかし狭間の者ですよ。

 

平:人と死体の狭間で行ったり来たりか? そいつはさて置き、吸血鬼は常日頃から自問する者達なんだろうよ。果たして、自分とは一体何者なのだろうってな。

 

ボ:自分は自分でありますよ。自分が自分でなければ、それはまた一体誰なんだという訳です。もしも私が私であり、同時にあき竹城だったらもう大変。

 

平:もういいから名前決めろ。

 

 

◎名前

 

ボ:ジュヌヴィエーヴ・ヴュジョルド。

 

平:またそれか。大体そいつぁ実在の女優の名前じゃねえか! 

 

ボ:早口で言うと如何にもフランス語をしゃべっているような気分になれますよ。

 

平:駄目だ。せめて姓は変えろ。実在の人物の名前を使っていいPBMなんざ、ガリレイザーくれえなもんだ。しかし懐かしいな、ガリレイザー。

 

ボ:ジュヌヴィエーヴ竹城。

 

平:…あのさあ、こうして黒井判定者がPCの振りして文章書いてる訳だけどさ、いい加減な人間性の持ち主ってのが丸分かりだよな。

 

ボ:あ、やっぱりやめました。ただのジュヌヴィエーヴで沢山でございます。

 

平:何でまた。

 

ボ:まだNPC紹介をば黒井ちゃんはやっておりませんが、吸血鬼のNPCは揃いも揃って姓がございませんことよ。きっと吸血鬼は姓を持たないのがもしかしたら吸血鬼トレンドでなのですよ多分そうです。いけない、流行のウェーブに乗らねばならねば明日から私はダサ子ちゃん呼ばわり! ダサ子と申しますのも、これはこれで中々魅力的な名前のような気がします?

 

平:落ち着け。じっとしてろ。しかしNPC吸血鬼に姓が無いのは、何となく理由が分かるぜ。姓は家族とか先祖との縁なんだ。連中はつまり、そういった縁諸々を切ったって事なんだろうよ。

 

 ⇒名前:ジュヌヴィエーヴ

 

 

◎陣営

 

平:作成例「吸血鬼篇」でハンターを選ぶ事は無いわな。で、吸血鬼って陣営についてはどう思うよ?

 

ボ:縛りがきついというのが初見の印象です。このお話、どうやら主敵は悪魔のようでありますが、吸血鬼は悪魔を倒せんです。次いで言えばこの世ならざる者全般に、負けはしないかもしれませんが勝てもしません。どうしましょう、「あずきとぎ」にすら勝てない吸血鬼などと!

 

平:多分「あずきとぎ」は出て来ないんじゃねえの。嫌だな、わざわざサンフランシスコまで来て小豆といでるだけの妖怪なんて。

 

ボ:「あずきとぎ」の事はどうでもいいのですが、これはつまり極度に制限された状況下で、吸血鬼が取るべき道を模索する話になると思うのであります。ハンターは「ハンターをやっている自分」の境遇に悩むかもしれませんが、悪魔を追い祓う事に関しては大抵の場合は道理だと捉えております。

 

平:「悪魔にも人権がある!」なんて奴ぁ居ねえだろうが、もし居たらそもそもハンターにならんわな。

 

ボ:しかし吸血鬼は悩みながら戦う事になるんじゃありませんか? 何と戦うかは分かりませんが。ただ、希薄な自己の存在意義に決着をつけようとする話であるならば、それはそれで面白いのではないかと、そんな風に考える今日この頃、皆様におかれましては御機嫌如何でありましょうか、ボルカです、又はボストーカです。

 

平:ちょっと真面目に考えたら、脳の回路が焼き切れるのか? しかし希薄な自己存在ねぇ。そいつぁ人が抱える孤独の闇と、大して変わらねえのかもしれねえな。

 

 ⇒陣営:吸血鬼

 

 

◎性別

 

ボ:ジュヌヴィエーヴはブッダ系の女性の名です。

 

平:…ああ、仏(フランス)系。駄目だ。くだらな過ぎてコメントが思い浮かばん。

 

 ⇒性別:女

 

 

◎年齢

 

ボ:最高年齢150歳まではOKとくれば、ここは一つ150歳にしてしまいますよ。何か150にもなってまだ稼動しているとは、幾分お得感がありますね。

 

平:お前の実年齢も似たようなもんだしな。

 

 ⇒年齢:150歳

 

 

◎身長

 

ボ:身長210cm。

 

平:女で!?

 

ボ:マイケル・スミスに10cmの勝利です。

 

 ⇒身長:210cm

 

 

◎体重

 

ボ:体重210kg。

 

平:すまん、今のは俺の目の錯覚か?

 

ボ:そして胴回りは210cm。ドラえもんをスペクタクルしてみました。

 

平:それを言うならリスペクト。或る意味スペクタクルな数字だけど。取り敢えず、その身長と体重は却下だバカスケ。

 

ボ:何故スケ?

 

平:そんなドラえもんを悪改造したようなクリーチャーの、蠢く絵面が全く想像出来ねえからだクソが。

 

 ⇒(訂正)身長:165cm  体重:55kg

 

ボ:普通過ぎて惚れ惚れしますね。

 

 

◎一人称

 

ボ:黒井判定者の女性PC一人称は、全て「私」で統一されております。実に頑なであります。脳が思考を放棄しております。私の半分腐り気味のやわらか頭で斬新な一人称を考えてみましたよ。それでは言います。「したわ」。

 

平:「私」にしとけ。

 

 ⇒一人称:私

 

 

◎二人称

 

ボ:二人称は一人称よりも「口調」に直接関わってくるのです。

 

平:まあ、確かに。二人称はどうやったって他人に話しかける時に使うものな。

 

ボ:「おまえ」にしようと私は思いましたのです。

 

平:「おまえ」かよ。何か、随分荒い人格設定になりそうだな。

 

ボ:「おまえ」を踏まえて、口調は以下のようにしてみました。

 

 ⇒二人称:おまえ

 

 

◎口調

 

ボ:「丁寧な言葉使い」。

 

平:…え?

 

 ⇒口調:丁寧な言葉使い

 

 

◎価値観

 

ボ:吸血鬼の価値観というのは、ちと想像しづらいものがございますよ。ヤスオ、おまえならどう思われますか?

 

平:早速実践か。文字にすると「しっくりこなさ」が半端無ぇ。

 

ボ:おまえ、早く答えなさい。おまえ!

 

平:やかましいわボケ! 言うよ。言やぁいいんだろう。そうだな、吸血鬼っつっても元人間なんだから、人の価値観から大きく外れるなんて事ぁないんだろうよ。例えばしょっちゅう名前が出てくるノブレムの頭目、レノーラなんかは何が何でも「生存」っぽいよな。

 

ボ:それでは「お金」でも良いのですか?

 

平:いいんじゃないの。ノブレムは貧乏集団だし、金の確保に目の色を変える奴だっているだろうさ。それに金銭欲まみれの吸血鬼なんて面白いじゃねえか。「お金」にしとけよ。

 

ボ:それでは「清貧」。

 

平:お前俺を舐めてんのか。

 

 ⇒価値観:清貧

 

 

◎性格

 

平:人を「おまえ」呼ばわりの丁寧な口調。高飛車なお嬢様風でありながら「清貧」。これを3つの言葉で表現するんだとよ。

 

ボ:お任せ下さい。おまえの想像力と私のソレは訳が違うのであります。

・人をおまえ呼ばわり

・高飛車なお嬢様風

・清貧

 

平:何一つてめえで考えてねえじゃねえかよ! それに最後の「清貧」て、価値観で使っちまっただろうが、馬鹿かお前!? もういい、俺が考える。ここんとこでポイントになるのは「高飛車なお嬢様風」ってとこだ。多分、そんなに悪い育ちでもなかったんだろうとは想像出来る。それが何でか清貧を尊び、おまけに吸血鬼になっちまった。

 

ボ:色々大変な履歴書が出来上がりそうですね。

 

平:他人事みたいに言うな。お前のPCだ。まあ、きっと裕福な家がいきなり没落したんだろうな。

 

ボ:1929年には世界恐慌がありましたね。あれは凄かったです。そこら中で首を吊った経営者やら労働者やらが本当にもう。

 

平:…突っ込むのはやめとこう。しかし世界恐慌って出来事は、人格形成に多大な影響を与えたエピソードとして説得力がある。そこから吸血鬼に繋がる点に一工夫必要だけど。吸血鬼になったのは、家が没落した時と同じくらいでOKか?

 

ボ:どんとこいです。

 

平:ん? そうなると、ジュヌ何とかは現在150歳。世界恐慌が起こったのは約90年前。60歳くらいの時に吸血鬼化した訳だから、外見年齢は結構初老の女性なんだな。初老の女性の吸血鬼って、中々斬新じゃねえか。

 

ボ:嫌です。私は150歳の妖怪であってもピチピチルーギャーがいいです。年齢を110歳に変更致しますが文句は言わせません。

 

平:別に文句は言わねえけど、面白いと思うんだがなあ。まあいい。若くして気苦労を一挙に背負い込んで、かつ吸血鬼になったんであれば、大まかな性格設定も見えてくるだろう。こんな感じでどうだ。

・高飛車なお嬢様風

・お金は信用しない

・実は人(吸血鬼)に優しい

 

ボ:最後の「実は人(吸血鬼)に優しい」といいますのが、かなり唐突でありますね。

 

平:別にいいだろ? 酸いも甘いも噛み分けてって感じでさ。

 

 ⇒年齢を訂正:110歳

 ⇒性格:「高飛車なお嬢様風」「お金は信用しない」「実は人(吸血鬼)に優しい」

 

 

◎ロール→特技

 

平:トータルでジュヌ何とかを顧みると、あんまり戦い向きって雰囲気は無いな。

 

ボ:その点に関しては珍しくも同意します。私は「月給取り」が面白いと思うです。私も月給取りの人生をば歩んでみとうございました。

 

平:それじゃ特技はどうする。

 

ボ:「友達がいっぱい」がいいです。私も友達がいっぱいな人生をば歩んでみとうございました。

 

平:だんだん俺まで悲しくなってきたから、もう言うな。

 

 ⇒ロール→特技:月給取り→友達がいっぱい

 

 

◎一般技能(1つのみ)

 

ボ:暗算。

 

平:…え~。

 

ボ:えーではございません。暗算は素晴らしいです。ジュヌヴィエーヴは見るからにお金の計算が得意そうなので、暗算技能は必須でありましょう。

 

平:冷静に考えてみようぜ。一般技能ってのはかなり重要な技能だ。ロールと特技は、あくまで「ハンター」か「吸血鬼」にとっての特殊スキルだが、一般技能はもっと広範囲で通じる代物なんだ。で、暗算でこの世ならざる者が跋扈するサンフランシスコをどう渡る。

 

ボ:物凄く早く計算が出来るので偉いです。

 

平:いやいや、暗算の速さを自慢しても感心されて終わりだ。或いは物凄く特定の場面で一回こっきり役に立つとかな。悪い事は言わん、記憶力にしとけ。

 

ボ:記憶力も暗算もベクトル相似かと思われますが。

 

平:ところがそうでもない。マジで色々役に立つ時がきっと来るぞ。

 

 ⇒一般技能:記憶力

 

 

◎初回登録アイテム

 

平:さて、吸血鬼の初回登録アイテムだが。どいつもこいつも、何だか微妙なもんばっかりだな。さすが貧乏集団ノブレム。

 

ボ:皇帝のタリスマンが良かれと思われます。

 

平:おお、成る程。人が自然と集まってくる刺青か。キャラクタの作りに合っているから、結構悪くないかもしれん。しかし虎の子の持ち金$100、全部使い切ってもいいのか?

 

ボ:結構でございます。「ジャンクヤードのお宝」なんて、はっ。

 

平:いやいや、馬鹿にしたもんじゃないぞ。あれはあれで結構使えるんだぜ。ん、待てよ。そう言えばジャンクヤードのお宝とか、しょっぱい拳銃なんかはその筋の奴に金を払うんだよな? じゃあ、アミュレットやタリスマンなんかの刺青は、レノーラに払うって訳か?

 

ボ:同志から金を巻き上げて、懐にちゃっかり仕舞い込むと。やりますねレノーラちゃん。

 

平:さすがにそりゃ無いと思うが、しかし何か意味があるのかね。

 

 ⇒初回登録アイテム:「皇帝のタリスマン」

 

 

◎自由設定

 

平:長え。長かったぜ。やっと自由設定にこぎつけた。

 

ボ:本当に何もないとこからPC作り始めましたからですね。

 

『カナダ・ケベック州出身のフランス系。相場師の父に連れられ、幼少の頃にアメリカ・ニューヨーク移り住む。家は景気の波に乗って裕福だったが、1929年の株価大暴落の煽りを受け、一家は資産を喪失。家族は流浪の身となってしまう。

 街から街へ車一つで家族が旅をする最中、寝込みを凶暴な吸血鬼の集団に襲われ、家族は皆殺し、自身は吸血鬼にされてしまった。普通ならばその集団の仲間にされるところであったが、家族を殺された怒りから、彼らを振り切ってはぐれ吸血鬼となる。1人アメリカを彷徨っていたところを穏健派のレノーラのグループに拾われ、今に至る。過去の経験から吸血衝動そのものを嫌悪しており、牛の血で飢えを乗り切る事に躊躇は無い。今は牛の血を全く問題なく飲む事が出来る。

 年恰好は20代前半の中肉中背。漆黒のロングヘア。吸血鬼らしく、暗い色調の服が好み。人間時代から持っていた、黒いアフタヌーンドレスは特にお気に入り。

 性格は絶頂とどん底を経験したおかげで、高飛車かつ斜に構えた所がある。基本的に目上以外の人は「おまえ」呼ばわり。丁寧な口調で嫌味を言う事も度々。本質的に人が良いので、あまり傷口を抉るような言い方はしない。吸血鬼の仲間内で閉じこもるよりは、働きに出て人間と交流する方が好きな、吸血鬼としては変わり者である。吸血衝動は、ほとんど消え失せている。働いてお金を稼いでも、昔の経験から無駄遣いは一切せず、物品のリサイクルを心掛ける質実剛健。

 記憶力に秀でており、複雑な模様でも一度見ただけで正確に思い出す事が出来るほど。

 レノーラの事は、自分に道を示してくれた者として慕っている。』

 

ボ:何とかまとまりましたですね。

 

平:ゼロから物を作るってのは、本当、大変なんだよね。

 

 

 

<まとめ>

【PC名】:ジュヌヴィエーヴ

 

【陣営(ハンターor吸血鬼から選択)】:吸血鬼

 

【性別】:

 

【年齢】:110歳

 

【身長】:165cm

 

【体重】:55kg

 

【一人称】:

 

【二人称】:おまえ

 

【口調】:丁寧な言葉使い

 

【価値観 (単語1つで)】:清貧

 

【性格 (単語3つで)】:「高飛車なお嬢様風」「お金は信用しない」「実は人(吸血鬼)に優しい」

 

【ロール→特技】:月給取り→友達がいっぱい

 

【一般技能(1つのみ)】:記憶力

 

【初回登録アイテム】:「皇帝のタリスマン」

 

【自由設定】:

『カナダ・ケベック州出身のフランス系。相場師の父に連れられ、幼少の頃にアメリカ・ニューヨーク移り住む。家は景気の波に乗って裕福だったが、1929年の株価大暴落の煽りを受け、一家は資産を喪失。家族は流浪の身となってしまう。

 街から街へ車一つで家族が旅をする最中、寝込みを凶暴な吸血鬼の集団に襲われ、家族は皆殺し、自身は吸血鬼にされてしまった。普通ならばその集団の仲間にされるところであったが、家族を殺された怒りから、彼らを振り切ってはぐれ吸血鬼となる。1人アメリカを彷徨っていたところを穏健派のレノーラのグループに拾われ、今に至る。過去の経験から吸血衝動そのものを嫌悪しており、牛の血で飢えを乗り切る事に躊躇は無い。今は牛の血を全く問題なく飲む事が出来る。

 年恰好は20代前半の中肉中背。漆黒のロングヘア。吸血鬼らしく、暗い色調の服が好み。人間時代から持っていた、黒いアフタヌーンドレスは特にお気に入り。

 性格は絶頂とどん底を経験したおかげで、高飛車かつ斜に構えた所がある。基本的に目上以外の人は「おまえ」呼ばわり。丁寧な口調で嫌味を言う事も度々。本質的に人が良いので、あまり傷口を抉るような言い方はしない。吸血鬼の仲間内で閉じこもるよりは、働きに出て人間と交流する方が好きな、吸血鬼としては変わり者である。吸血衝動は、ほとんど消え失せている。働いてお金を稼いでも、昔の経験から無駄遣いは一切せず、物品のリサイクルを心掛ける質実剛健。

 記憶力に秀でており、複雑な模様でも一度見ただけで正確に思い出す事が出来るほど。

 レノーラの事は、自分に道を示してくれた者として慕っている。』

 

 

 

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あまり役に立たないPC作成例:吸血鬼篇