~ハンターの作り方~
平田:俺は平田安男だ。と言っても誰か分からないだろうけど。かつてエルスウェアというPBM会社の作品に、判定者の黒井がPCとして参加させていたのが俺だ。ここでは、かつてのPCがプレイヤーとしてPCを作ってみるという、少々ややこしい趣向で『PCの作例』を紹介してみようと思う。予め言っておかにゃならねえが、はっきり言ってあまり参考にならないと思うぜ。あくまで作例でしかないから、それは御理解頂きたい。それでは俺と共に進行を務める相棒を紹介しよう。名前言え。
ボルカ:こんにちはボルカですボストーカです。繋げて言うとボルカ・ボストーカと申します。こんばんは皆さん。私の名前は幾らでも略して結構ですし『ボ』で結構ですおはようさん。いけない、ボボという略だけはいけません! 九州あたりで言おうものなら、あの、あなた、突如テレビの画面が『そのまましばらくお待ち下さい』という味も素っ気も旨味も何も無いスッカスカの出汁を取った後の鰹節みたくなってしまいそうでありますよ! あらあらまあまあ『みたく』だなんて、まるでギャールみたいな言い方!
平:はしゃぐな死体女。こういう猟奇的やりとりで『PCの作り方』が進行する訳だ。どうだい、参考にならねえだろ。
ボ:ボボブラジルに至っては何とブラジル呼ばわりですが如何しましょうか?
平:「PCの作成」ページを別ウィンドウで見ながら御参照頂ければ幸いです。
◎名前
平:PCを作る時は、何はなくとも名前だろーな。古今東西、「IT」呼ばわりのPCは居ないものな。とかくPBMは思い入れたっぷりの凝った名前を見かけがちだが、何分思い入れがでか過ぎて、何と読めばいいのか分からん事も多々ある。そういう訳で、ここは敢えてありきたりな名前で行ってみるぜ。その方が逆に目立つかもしれん。おい『IT』、日本で一番ありきたりな名前と問うて、イメージするものを言ってみろ。
ボ:我修院達也を推奨します。
平:おっ死ね。学校のテストにも結構使われる平凡名の代表格と言やぁ、山田太郎だろうがアホボン。しかし生まれてこの方、ドカベン以外に山田太郎なんて名前は見た事が無い。という事は、シンプルでありながら極めて珍しいという、俺的には何とも理想的な名前なんだよな、山田。そこで俺は考えた。アメリカで言う所の山田太郎とは何なのか。
ボ:スティーブ・ブシェミは如何でしょうか。9・11テロ攻撃の後、本当に消防士として救助活動に当たっていたアメリカの面白い俳優。
平:ありゃ個性で飯を食っているような男じゃねえか。そりゃ俺もブシェミは好きだけど。俺が考えたのはマイケル・スミス。どうだい、「マイケル」で「スミス」だぜ。何しろ自己主張の強いアメリカ社会だ。そんな奴なかなか居ないに違いない。
ボ:そうでもないです。昔、「マイケル・スミス」という名前だけを集めた野球大会がアメリカで開かれましたので。一番から九番まで、敵味方ずらりと並んだマイケル・スミス。マイケル・スミスが投げてマイケル・スミスが打つ。そしてマイケル・スミスがキャッチして、アウトコールを叫ぶのはマイケル・スミス。究極のマイケル・スミス循環システムと言えましょうがどうですか。それでもマイケル・スミスにしてしまわれますか。
平:うるせえもういい。ここで「やっぱヤダ」って事になったら、名前の項目で何行書く事になるか分からん。俺のPCの名前はマイケル・スミスで大決定だ。
⇒名前:マイケル・スミス
◎陣営
平:つっても作成例「ハンター篇」で「吸血鬼」は選ばねえだろ。
ボ:規定路線ですか。定められたレールに乗るのですか。ヤスオはヤスオなのですから、もう少し正しい道から転げ落ちても良いではありませんですか。ここは一つ間違った方向に足を踏み外してみませんことですか? 「コットン気分でハンター」とかそんな感じで攻めるのがヤスオですか?
平:「ですか」じゃねえ。大体コットン気分でハンターなんざやってられるか。大して金も儲からないのに、「この世ならざる者」と命を張って戦う連中だぞ。しかしまあ、「ルシファ・ライジング」じゃPCハンターは話の中心になる存在だ。目的も「この世ならざる者」と戦うってシンプルさが魅力ではある。どっちの陣営にしようか迷ったら、ハンターを選択してしまうのが良いかもしれん。
⇒陣営:ハンター
◎性別
平:マイケル・スミスって女もそうは居ないだろう。そんな名前で育てられましたってのも、まあアリかもしれねぇけど。
ボ:マイケル花子とか今思いつきました。
平:ここは当たり前のように男だな。ともあれ名前を考えた時に、性別なんて大概決まっているようなもんだ。
ボ:いっそのことマイケル女は。これならどうみても女ですし、妖怪に間違われて具合良いかもしれませんですよ。特技:顔が目覚しい勢いで白くなります。
平:それ以上言ったら頭突くぞおめぇ。
⇒性別:男
◎年齢
平:16歳~70歳までね。じゃあ29歳。
ボ:即決ですが何かありましたか。身内の不幸事ですか。
平:今、肉を食いてぇと思った。ここんとこ野菜と魚ばっかなんだよ。
⇒年齢:29歳
◎身長
平:偶に見掛けるよな。平均身長はNBA基準ですかってPC。
ボ:黒井判定者がそうであります。彼の平均身長感覚は185cmを「かなり小さい」と言ってしまえる程の感受性の無さが特徴であります。
平:じゃあ、俺は200cm。
ボ:「それは中々平均的だ」とモニタの向こう側で頷くのが目に浮かぶようであります。黒井判定者。
⇒身長:200cm
◎体重
平:アメリカに旅行した時の事だけどさ。やっぱ向こうの「太った人」ってのは半端ねぇんだよ。
ボ:要は「ウルトラデブ」でありますか。
平:こちとら気を使って書いてんだ。無闇にデブとか言うんじゃねえ。まあ、体重重過ぎな人はハンターにゃなれねえんだろうな。何しろ戦いは速度が物を言う。圧倒的な力量差でもない限り、ゆっくり勝つなんて有り得ん。とすると、戦う人間は自然と体が締まる。体重は簡単に「身長-105」で手を打っておこう。こうすりゃ男の場合は、大体身長比の理想体重に近付くってもんだ。
⇒体重:95kg
◎一人称
平:昔、北方謙三のエッセイに書いてあったよ。男が自分を示す人称は、誰であろうとも必ず「俺」なんだと。
ボ:断言ですかそうですか。しかしながらヤスオも偶に「僕」とか「私」と言うではありませんか。
平:そいつは外面的な使い分けだ。確かに心の中で自分の人称は、俺の場合「俺」になるよな。この世ならざる者との戦いに取り繕った外面はいらん。剥き出しの「俺」が戦いを挑むんだ。だから一人称は「俺」で行こう。
ボ:何となれば、暑苦しい人格設定が見えて参りましたですね。
⇒一人称:俺
◎二人称
平:「俺」が他人を称する際、「あんた」だったら率直な雰囲気があるよな。「あなた」だと礼儀正しい外面に獰猛な心が垣間見える。
ボ:「ユー」とかどうでありますか。インチキ外人臭くて魅力的のような気がします?
平:いや、疑問形で言われても。ここはアメリカでPCもアメリカ人だから、「ユー」は本来普通のはずなんだが。しかしそうなると一人称は「ミー」になるじゃねえか。嫌だよ、そんなジャニーみたいな奴。ここは一つ「あなた」にしてみようぜ。ちょっと曲がった性格設定が作れるかもしれねぇ。
⇒二人称:あなた
◎口調
平:基本的に「敬語」の方向で行くぜ。折角二人称が「あなた」なんだし。
ボ:しかしながら黒井判定者、話の流れの中で突如口調が変わったりするので注意が必要であります。
平:まあ、奴の言い分を代弁するとだな、どの場面を切り取っても、全く同じ口調でPCがしゃべるのが気になって仕方無いんだとさ。これも書き手の個性と、割り切って頂ければ幸いです。
ボ:初手から安い保険を掛けましたですね。
⇒口調:敬語
◎価値観
平:ポリシーとしているものを単語一つで、だと。
ボ:モンブランとか如何ですか。
平:何だそれは。
ボ:モンブランが食べたくて仕方ないポリーシーと言えましょう。
平:どん詰まる。そのポリシー、必ずどん詰まるぞ。もうちょっと真面目に物事は考えようや。
ボ:真面目とヤスオの食べ合わせは最悪です。ドリアンと酒くらい相性が悪いと思われます。つまり死にます。
平:うるせえ馬鹿。ちなみにドリアンと酒の食べ合わせな、国立健康・栄養研究所のHPでキッパリ「科学的根拠無し」って言ってたよ。ほら、無駄に行数を稼いじまったじゃねえか。まとめに入るぞ。価値観は「献身」。これで行く。ハンター稼業って、こりゃもう献身そのものって感じだしな。
ボ:献身とヤスオの食べ合わせは最悪です。天ぷらと氷水くらい
平:黙れポンチ。大体天ぷらと氷水を一緒に食うってシチュエーションがだな…あー、あるか。気の利かない天ぷら屋だったら、お冷やとか出されるかもしれねえもんな。
⇒価値観:献身
◎性格
平:性格を三つの単語で表現、だと。これも自分で考えにゃならん。
ボ:オフィシャルPBMでしたらば、候補の単語がズンラズラズラ並んでいるとこでありますが、「そんな面倒ごとは嫌だ」という姿勢が如実に表れていて素敵です。
平:そう考えるとオフィシャルは凄ぇ。実際1人で考えると、あんな50も100も思いつかねえよ。それはさて置き単語だが、はてどうしよう。
ボ:ここは今迄の想定を振り返るべきです。暑苦しいうえに礼儀正しく、獰猛かつ献身的。まさにパラノイア一歩寸前でありますことよ?
平:…ホントだ。並べてみると、確かに変だ。
ボ:これをば強引にまとめますと、このようになりますが宜しいですか?
・外面は礼儀正しい
・心は野獣そのもの
・最前線が死ぬ程大好き
平:いや、ちょっと待て。全然まとまってねぇよそれ。大体からして、3つとも単語じゃねえし。
ボ:いいじゃありませんか、簡潔な一言でしたら。それにこういう話に欠かせない、真っ先に前へ出て真っ先に死ぬタイプが一丁完成であります。
平:いや、ちょっと待て。
⇒性格:「外面は礼儀正しい」「心は野獣そのもの」「最前線が死ぬ程大好き」
◎ロール→特技
平:さて、ここからが思案のしどころだな。ルシファ・ライジングでどのように戦うかを決める訳だからして。
ボ:思案も何もありません。「ポイントゲッター→接近戦」以外の人物設定は到底不可能な性格です。
平:結論早過ぎだろうがボケナス。最前線なら、ガーディアンだって立っているじゃねえか。
ボ:ガーディアン! どの面下げましてガーディアン! かのマイケル・スミスは「うひゃらけああ」等と奇声を上げて悪魔に踊りかかる姿しか想像出来ません。
平:幾ら何でも性格が曲がり過ぎだ。
ボ:そして死ぬのです。
平:死ぬのか!?
⇒ロール→特技:ポイントゲッター→接近戦
◎一般技能(1つのみ)
ボ:ボクシング。
平:勝手に決めるなアホンダラ!
ボ:知りませんかヤスオちゃん。三浦健太郎のアシをやっておられた技来静也先生著の激熱マンガ、「ブラス・ナックル」を! 実はルシファ・ライジング、アメリカのTVドラマに加えてこのマンガもアウトラインの1つなのでありますよ?
平:え、そうだったの?
ボ:このマンガもやっぱりアメリカを舞台にして魔族と戦う話なのですが、主人公は黒人で元ボクサー。強い強い。まさに人外と戦う人外。基本的に魔族に立ち向かう技は、培ってきたボクシングの技能です。フットワークとか本格的で超格好いいです。あらやだ私、「超」だなんてまるで若い人のよう。マイケル・スミスにもかくあって頂きたい。「うひゃらけああ」と奇声を上げながら渾身のフックを悪魔のレバーに叩き込んで頂きたい!
平:いやでも、基本悪魔を仕留めるのは悪魔祓い以外だったら武器だろう? それを素手とか、幾ら何でも。
ボ:そしてやっぱり死ぬのです。
平:やっぱり死ぬのか!?
⇒一般技能:ボクシング
◎初回登録アイテム
ボ:メリケンサーック。
平:勝手に決めるなドあほう!
ボ:あらやだヤスオちゃん、ボクシングで戦うならば、あれです、メリケンサックで威力3倍強を目指さねば。後から銀メッキのメリケンサックにステップアップとか、色々想像が羽ばたきますじゃありませんか。
平:やばい、本当に間近で悪魔と殴り合いをしなきゃならんのか。大体あいつら、観念動力みたいなヘンな技を使ってくるんだよ。本当に接近戦なんて出来るのか?
ボ:そこはそれ、仲間との連携があるではありませんか。仲間と共に、強力な敵に立ち向かう。これぞまさしく、PBMの王道であります。
平:何故上手くまとめる。まあそれはともかく、あと$1000残っている訳だが、ここは一つ散弾銃でも買ってみるか。
ボ:さんだんじゅう~?
平:俺のPCだ俺のPC! 話の元になったアメリカのTVドラマだってなあ、散弾銃はメインウェポンの一つなんだよっ。その他はEMF探知機1。こいつは安い割りにめちゃくちゃ使えそうだしな。
ボ:敵など「気」で見つければ良いのでありますよ。
平:お前は「気」を根本的に勘違いしている。
⇒初回登録アイテム:「打撲系武器(メリケンサック)」「散弾銃(SPAS12)」「EMF探知機1」
◎自由設定
平:…要は上記のポイントを膨らませて、補足する訳だよな。我ながら、何て言うか、勢いだけの設定だよな。取り敢えず自由設定の事項に沿って、文章化してみるぜ。
『アメリカはペンシルバニア出身のアイルランド系。身長2mの細マッチョで、何時も黒いジャージの上下に身を包んでいる。
シニアの頃からボクシングに打ち込んできた、厳格であるも平凡な中流家庭の出身。高校卒業後はアルバイトをしながらプロボクサーになる事をを志していた。
ところがプロテスト合格後に仲間が開いてくれたパーティで、その中の一人に悪魔に取り憑かれた人間が居た為、阿鼻叫喚の地獄絵図が展開する。自身も殺されかけたところを、悪魔の動向を探っていたハンターに救出され、事なきを得た。世話になった友人知人を殺された恨みを晴らすべく、ボクサーの道を捨てて自身もハンターへの道を歩み、今に至る。
「酒場」繋がりで異常状況に陥っているとの情報を得て、サンフランシスコにやって来た。サンフランシスコは初めて来る所で、地理は旅行者並みに明るくない。
性格は躾が厳しかった為、一見礼儀正しい口調であるものの、友人達を目の前で惨殺された経験から、心の中は悪魔への怒りに満ちている。悪魔を必ず地獄へ叩き返すという信念は、まず曲がる事が無い。仲間は大事に思っており、彼らの危地を救う為なら自己犠牲も厭わない。
戦い方はボクシングの技能を駆使した接近戦最重視。悪魔に取り憑かれた人間を殴り倒し、ぐったりした所で悪魔祓いを執行するというストロングスタイル。戦う「この世ならざる者」に応じて戦法は変えるものの、基本的にはこれ一本』
ボ:ヤケクソで作った感ありありですね。
平:一体誰のせいだと思う?
ボ:分かりません。
<まとめ>
【PC名】:マイケル・スミス
【陣営(ハンターor吸血鬼から選択)】:ハンター
【性別】:男
【年齢】:29歳
【身長】:200cm
【体重】:95kg
【一人称】:俺
【二人称】:あなた
【口調】:敬語
【価値観 (単語1つで)】:献身
【性格 (単語3つで)】:「外面は礼儀正しい」「心は野獣そのもの」「最前線が死ぬ程大好き」
【ロール→特技】:ポイントゲッター→接近戦
【一般技能(1つのみ)】:ボクシング
【初回登録アイテム】:「打撲系武器(メリケンサック)」「散弾銃(SPAS12)」「EMF探知機1」
【自由設定】:
『アメリカはペンシルバニア出身のアイルランド系。身長2mの細マッチョで、何時も黒いジャージの上下に身を包んでいる。
シニアの頃からボクシングに打ち込んできた、厳格であるも平凡な中流家庭の出身。高校卒業後はアルバイトをしながらプロボクサーになる事をを志していた。
ところがプロテスト合格後に仲間が開いてくれたパーティで、その中の一人に悪魔に取り憑かれた人間が居た為、阿鼻叫喚の地獄絵図が展開する。自身も殺されかけたところを、悪魔の動向を探っていたハンターに救出され、事なきを得た。世話になった友人知人を殺された恨みを晴らすべく、ボクサーの道を捨てて自身もハンターへの道を歩み、今に至る。
「酒場」繋がりで異常状況に陥っているとの情報を得て、サンフランシスコにやって来た。サンフランシスコは初めて来る所で、地理は旅行者並みに明るくない。
性格は躾が厳しかった為、一見礼儀正しい口調であるものの、友人達を目の前で惨殺された経験から、心の中は悪魔への怒りに満ちている。悪魔を必ず地獄へ叩き返すという信念は、まず曲がる事が無い。仲間は大事に思っており、彼らの危地を救う為なら自己犠牲も厭わない。
戦い方はボクシングの技能を駆使した接近戦最重視。悪魔に取り憑かれた人間を殴り倒し、ぐったりした所で悪魔祓いを執行するというストロングスタイル。戦う「この世ならざる者」に応じて戦法は変えるものの、基本的にはこれ一本』
あまり役に立たないPC作成例:ハンター篇