縛りが無いのも案外寂しいという事に気がつきました

 

 「もう添削は無しって事で、よろぴこ」

 三十路を前にしてよろぴこは如何なものでありましょうかとの私ことボーリャの詰問口調に対して揚げミミパン齧ってお湯を飲んで床についたヤスオは、獣使いの不審が何とかの紋章消滅万歳を、口でははしゃいで心は何だか釈然としないガラスの十代みたくのヤスオは、最近私の詩吟を全然添削してくれないので寂しいですよ。ほら、句読点を打って段落を切って、くどくない文章というのを360度頭を捻って考えて、ほらほら読んでみて下さいなと藁半紙を顔に押し付けてみたりもしてみたりしましたがナシの礫。

 もういいんだそうであります。いらないんだそうであります。私、いらない子でありますか? お願いですから前みたいに、私を叱って下さいまし。私に頭突きをかまして下さいまし。私を縛って拘束して小汚い言葉で罵って下さいまし! あらあら私エロ小説を書く才能がありとみましたが如何なものでありましょうかとの私ことボボちゃんの詰問口調に対してヤスオはもう寝ました。まだ午前2時ではあリませんか。丑三つ時。幽霊が出る時間だそうですよ。幽霊超怖いです。だって死んでいるのにしゃべるんでありますよ?

 さて犬の話でありますが、何だか私の犬嫌いというトッパチ設定は無視されたまま、犬だらけのリンダ屋敷にて昼は死体袋夜は屋根に上って月に吠えるの生活を続けた一ヶ月、もとい二ヶ月間全く同じ行動というお笑いルーチンワークをこなした挙句の果て、何だかクリスティンちゃんも同様のお笑いルーチンワークのドツボにはまっていたらしく、結果二ヶ月連続で動物を防衛出来ましたという微妙な結果がついてまいりましてヒラタも私もヤスオもびっくりくりくりくーりくり。誰の持ちギャグでありましたでしょうか島木譲治?顎の人?チャーリー浜?また関西人にしか分からない事をこの大ゲームの御時世に申し訳ありませんが、結果クリスティンちゃんは見事に拉致されました。ちなみに私達は雄叫び上げて追い回しただけで、2ヶ月連続取り逃がす寸前でありまして、この点はきちんと報告すべき所でありますよ。そんなあなた、私達がエレガントにクリスティンちゃんを拉致してエレガントに改心させてエレガントに犬の住む悪の城の王に収まるなんてあなたそんな超バッドエンドを迎えるだけの力量があるわけも無く、今は袋詰めにされて暴れまわるクリスティンちゃんの前で砂糖を振った揚げパンの耳を齧っておる次第です。ちなみに砂糖は悪の城に棚に落ちていたのをゲットしました。超ラッキーであります。

 次回、どうなるんでありましょうか。クリスティンちゃんはさて置きヤスオと私は犬猫絶対防衛圏を我確保に成功せりの次第でありまして、次回、特にする事がありません。どうしましょうどうしましょうと考えている内に携帯の着メロがイヨマンテの夜。聞いた大概の人を怪訝な顔にさせる力を持ったこの曲は

「はいイヨマンテですが」

「イヨマンテってのは何だ。てか、この電話はヒラタのだよな。じゃあお前、あのボルカ・ボストーカか? 俺はPRA代表、弓月亮介」

「ああ、かねがねマフィアとは聞いているのであります」

「誰がマフィアだ誰が。ところでヒラタは?」

「パンの耳でありますか?」

「もういい。実は折り入って頼みがある。用件はヒラタではなく、お前にな」

 

文責:ボルカ・ボストーカ

 

 

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