今年はきっと良い年

 

明けましておめでとうございます。って、結局年をまたいでやんの。どーも、平田安男です。

結局三が日から俺はこんなもんを書いている訳だが、例年だったら今頃は、郷里の松本でゴロ寝三昧の日々だったんだ。ま、どう考えても今年は無理なんだよな。何故かと言えば、ボルカ・ボストーカが居るからだ。

 フェリオンは脆弱だ。身体構造、それに彼等のマスターとの縁についても。

 もし俺があいつをアパートで留守番長の刑に処したとしよう。俺とボーリャは、恐らく俺が横浜辺りを通過した時点で、アウスターグとしての結束を霧消してしまう。そして再びアイツは夜の徘徊を開始するんだ。近頃は「俺達側の」世界も劇的に物騒だし、やっぱり放っておく訳にはいかんのよ。

 じゃあフェリオンが人間に見える夜の間に、松本へ一緒に連れて行けばいいんじゃん?等と思った君は素人。今年の9月で三十路突入の俺が一見妙齢の女を伴って帰ったら、両親は何て思うだろう。もう、想像しただけで面倒くせえ。万歳三唱の両親を宥めてすかし、あの死体が大晦日の席で放送禁止スレスレのぴちがい言語を口走る。初詣!駄目だ、コイツは初詣には行けねえんだ。初日の出は拝めねえんだよ!何故だ安男。まさかその娘、エホバの何とかさん?違う。コイツは初詣を受けつけない体なんだ。何だそれは。『初詣は近鉄特急で』黙れ電波。家族揃って初詣に行けない娘を、嫁入りさせる訳にはいかん!だから嫁じゃないってばよ。『初詣は伊勢神宮で除夜の鐘の後はパルケエスパーニャでメリークリスマス』色々間違ってんぞ死体女ぁ!

 どうだ。

 威張る事ではないが、充分うんざりして頂けたと思う。

 そんな訳で俺は今、人生で一番ひもじい三が日を迎えている。おせちは当然ながら雑煮も無い。スーパーの惣菜コーナーなんぞ、パーティー用の寿司だのオードブルだのブルジョア向けで埋められちまって高いのなんの。ま、今日も明日もパンの耳な俺には、どのみち関係ないけどな。

 …それもこれも、あのペット殺害事件なんて地雷を踏んづけて以降の話だ。この件における俺とボーリャの存在意義は、はっきり言って無い。無いと言い切るのは我ながらあんまりだが、試しにペット殺害事件〜ホルト家を取り巻く環境を以下の図にしたためてみた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 半年近くも関わってこの程度の認識というのは立派なもんだが、それより俺とボーリャを何処に置けばいいのかさっぱり分からん。何と言うか、俺らはクラゲか?誰のせいって言ったら俺のせいなんだが、それ以上にこの状況を、ひゃははと笑って操作している奴が居るような気がする。断じてマスターではない。そいつはもっと直接的に俺らに介入出来る力を持った奴だ。って、幾ら何でも妄想飛ばし過ぎか。

 今年こそ!

 日本全国初詣に行った奴の、何割くらいがそう誓ったんだろうなあ。俺にゃ信じる神も仏もいやしないが、テメエに誓いを立てるくらいは出来るぜ。

 今年こそ、「獣使いの不審(-100)」なんつうヘボ称号を取り除いてやる!

 駄目だこりゃ、って思っただろ? 俺もだよ。

 

文責:平田安男

 

※今回の行動結果報告はボルカにさせております。案の定失敗しました。

 

 

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